皆様こんにちは、安行庭苑の秋山です^^

 7月に入りました。梅雨に入り肌に纏わりつくような湿気を含んだ空気が少し重々しく感じますね。

 安行庭苑は本日も皆元気に営業しております。
5月のGW明けから6月中はお陰様で庭・外構工事、植栽管理工事の日程が詰まっていまして、休む暇もないほど忙しい日々を過ごしています。ありがとうございます。

 さて今回は5月中にお客様からご依頼がありました「枯山水」の庭工事についてブログを書かせていただきます。


[図1] サツキツツジと赤松 筆者撮影2024/05/25
この「枯山水」のデザインは、施主様と社長が一緒に考案されたものです。

この庭部はかつて実際に鯉などが気持ちよく泳ぐ渓流を思わせる庭園が、施主様所有の古写真から見受けられたことがきっかけです。今回は施主様のご要望で「枯山水」として復活させることを目的としてリノベーション庭工事を行いました。石材は新しいものは入れずに、施主様宅に元々ある石のみを利用して枯山水を造っています。
(上の図はクリックしながら左に振ると次の図を見られます。)


<「枯山水」とは・・・>
 平安時代の『作庭記』には石組みを指す用語として「枯山水」と記されており、今の庭園様式としての「枯山水」、すなわち水のある池や渓谷を思わせる流れを作らず、石組みを主体として白砂・コケ・刈込などで自然景観を象徴的に表現する「枯山水」が成立するのは室町時代中期頃のことです。
 その成立の要因としては、局部手法(石組みの手法)としての枯山水の伝統があったことに加え、限られた紙幅のなかに遠大な景を収めるという咫尺千里の観念を持つ北宋山水画の伝来、東山文化の重要な担い手であった禅僧が水の得にくい寺院の外部空間に庭園を築造したことなどがあげられます。
 さらに室内飾りを客への重要なもてなしとした室町時代の武家住宅における会所での社交・接待のありようが、重要な飾りつけであった盆景を通して屋外空間へも拡大したことがあげられます。室内からの視線に対するおもてなしの空間として多様な展開をみせ、その一形態として枯山水が用いられるようになりました。
 様式としての枯山水を代表する事例としては、大仙院書院庭園や龍安寺方丈庭園があげられます。

参考文献小野健吉『日本庭園辞典』(株)岩波書店、2004年、71~72頁
 
[図6] 井筒の橋 筆者撮影2024/05/25
[図7] 清澄庭園の井筒 
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https://harady.com/photo/kiyosumi/kiyosumi_0182.html 
筆者閲覧2024/06/28
[図6]の橋は、昔に施主様宅で実際に使われていた石製の井戸の井筒を利用したものです。歩きやすい様に、実際歩いて高さや幅の調整を行いながら据えています。[図7]の写真を見るまで石井戸がどの様に組まれていたのか私は知りませんでした。


施主様のご家族の方は「魚が泳ぎ、実際に水の流れがあった時のお庭のことを思い出します。」とおっしゃっていまして、大変喜んでいるご様子でした。
お庭を復活させたいというお客様の気持ちに答えられるように、私も日々精進したいと思います。


安行庭苑 秋山