庭の要素

庭の要素

庭とは

庭(にわ)は、建物や自然環境の周りに設けられた、通常は土地に植物や景観要素を配置して造られた開放的な屋外空間を指します。
植物、花、木、草、石、水、道路、家具、彫刻など、さまざまな要素で構成され、美的、リラックス、娯楽、作業、食事などの目的に使われることがあります。
庭づくりは個人やコミュニティによって行われ、庭のデザインや管理には多くの創造性が発揮されます。
①「囲む」「仕切る」
垣根
垣根(かきね)は、一般的には植物や木材などで作られる、境界を区切るための仕切りや柵を指します。
庭園、農地、敷地、建物の周囲など、さまざまな場所で使用され、さまざまな目的を果たすために作られます。
垣根の種類は、使用される素材によって異なります。一般的な垣根の種類には、生け垣(生垣)、木製のフェンス、金網フェンス、コンクリートフェンス、レンガの壁、竹の垣根などがあります。選ばれる垣根の種類は、用途、予算、デザインの好み、地域の気候条件などに依存します。
生垣
生垣
生垣(いけぼり)は、植物を使って作られる、生け垣の一種です。
庭園や農地、敷地の境界などを区切るために植物を植え、生け垣として整形する方法です。
景観を美しくし、風を遮ったり、プライバシーを保護したりするために使用されます。
一般的に使用される植物には、ヒイラギ、サクラ、ツツジ、ボックスウッド、ヒューケラ、ハリウッド、ヤマボウシなどがあります。風除けや目隠しとして利用されるだけでなく、庭園や景観デザインの要素としても重要です。
竹垣
生垣
竹垣(たけがき)は、竹を使って作られる伝統的な日本の垣根や柵の一種です。竹を編んで作られ、通気性があり、見た目が美しい特徴があります。
伝統的な日本庭園や茶室、寺院、神社などの日本の文化遺産でよく見られます。しかし、竹垣は日本国外でも人気があり、日本庭園やアジア風のランドスケープデザインで使用されています。
環境にもやさしく、再生可能な素材であるため、持続可能な建築やデザインの要素としても注目されています。
石垣
石垣
石垣(いしがき)は、石を積み上げて作られる垣根や柵の一種です。
石の大きさ、形状、配置などによってさまざまなデザインが可能で、その美しさと耐久性から、庭園や景観デザイン、建物の周囲などで幅広く使用されています。さまざまな石材(石の種類や形状)で作ることができ、地域や文化に応じて異なるスタイルが存在します。たとえば、日本の石垣は「積み石(つみいし)」として知られ、細長い平らな石が積み上げられ、独自の美しさを持っています。
他の国々でも、石垣はその土地の石材やデザインスタイルに合わせて作られ、地域の伝統や文化を反映しています。
工作物
木製フェンス
木製フェンス
アルミフェンス
アルミフェンス
木製フェンス
ブロック塀
アルミフェンス
板塀
②「歩く」(動線)
庭の動線(どうせん)は、庭園やランドスケープデザインにおいて、人々が庭内を移動するための経路や道路の配置とデザインを指します。
庭の機能性、使い勝手、美的要素、そして庭の設計全体の調和に影響を与えます。 デザインは、庭の目的、スタイル、サイズ、地形に合わせて調整されます。
使いやすく魅力的な庭園を作り出すために、動線を慎重に計画し、庭園全体のデザインに統合することが重要です。
延段
延段
延段は、日本の庭園や建物において、特に日本庭園の要素として見られる概念です。
通常、庭園内の小道や通路で、美しい景色や庭園の特定のポイントに導くために設計されます。
歩くことができる小道や石の階段などで構成され、庭園内での散策や鑑賞のために使われます。
延段の設計は、風景の美しさや庭園のデザインを強調し、訪問者に美的な体験を提供することを目的としています。日本庭園や伝統的な日本建築の一部として重要な役割を果たし、日本の文化や美意識を反映しています。
飛石/踏分石
飛石/踏分石
踏分石は、庭園内の散策路や通り道の方向性を示す目印として使用されます。
訪問者が庭園内を歩く際に、踏分石をたどることで、適切な道に案内されます。日本の庭園デザインにおいて非常に重要な役割を果たし、庭師や庭園デザイナーによって慎重に選ばれ、配置されます。
訪問者が庭園を楽しむために、踏分石は道路や歩道に均等に配置され、安全かつ美的な散策を可能にします。
③「観る、使う」
庭を設計する際、重要な要点は「観る」と「使う」両方の要素を考慮することです。
庭は美的な魅力を提供するだけでなく、機能性も持たせることができます。
美しい景色や植物が訪問者の目を楽しませ、庭園内で静寂なひとときを楽しむことができます。
また、快適なベンチやテーブル、遊び場など、庭園を実際に使うための機能も考慮されています。
このバランスが取れたアプローチにより、庭は美的な楽しみと実用性を兼ね備え、訪問者に穏やかで楽しい体験を提供します。」
石組
石組
盆栽
盆栽
藤棚
藤棚
テーブルベンチ
テーブルベンチ
池
滝+流れ
滝+流れ
東屋・テラス
東屋・テラス
茶室
茶室
畑(菜園)
畑(菜園)
手水鉢
手水鉢
ウッドデッキ
ウッドデッキ
パーゴラ
パーゴラ
水景施設・灯篭
水景施設・灯篭
砂利
砂利
築山
築山
枯山水
枯山水
④「植える」
庭のデザインにおいて、植物の種類は庭の目的に応じて選ばれます。
紅葉や花、実、香り、緑陰、日陰、門かぶりの木など、様々な要素が考慮され、庭園がその目的を満たすように植栽されます。
紅葉を楽しむ
紅葉を楽しむ
紅葉を楽しむ庭園では、モミジ、ハゼ、イチョウ、錦木などの紅葉が美しい樹木が配置され、秋の美しい景色を楽しむことができます。
これらの樹木は、紅葉が鮮やかな季節に庭を彩ります。
花を楽しむ
水景施設・灯篭
花を楽しむ庭園には、サクラ、ウメ、モモなどの四季折々の花木が配置され、春から秋まで美しい花が咲き誇ります。 これにより、庭園は季節ごとに異なる花の美しさを楽しむ場所となります。
実を楽しむ
実を楽しむ
実を楽しむ庭園には、果樹などの実用樹やナンテン、千両、万両などの実を持つ樹木が植えられ、美味しい実を収穫する楽しみが庭で味わえます。
香りを楽しむ
香りを楽しむ
香りを楽しむ庭園には、ジンチョウゲ、キンモクセイ、クチナシなどの香りの良い植物が配置され、訪問者は季節によって異なる香りを楽しむことができます。
緑陰を作る
緑陰を作る
緑陰を作る庭園では、落葉樹のケヤキやモミジなどが植えられ、日差しを遮りながら涼しい場所を提供します。
日陰でも育つ
日陰でも育つ
日陰でも育つ植物は、アオキ、カクレミノ、ヤツデなどが選ばれ、庭の日陰部分を美しく埋めます。
門かぶりの木
門かぶりの木
門かぶりの木としては、松(黒松や赤松)、マキなどが選ばれ、庭の入口や門前に配置されます。
三大庭木
三大庭木
三大庭木としては、モッコク、モチノキ、モクセイなどが知られています。
江戸五木
江戸五木
江戸五木としては、モッコク、赤松、イトヒバ、カヤ、イヌマキなどが知られています。
⑤「覆う」(グランドカバー)
庭園デザインにおいて、「覆う」要素、すなわちグランドカバーは、庭園の地面を覆い、美的な効果を持たせる一要素です。
庭のスタイルや特性に応じて、異なるタイプのグランドカバーが使われ、庭園のスタイルや目的に合わせて庭を彩ります。
庭園デザインの一部として選択され、地面を覆うことで庭の美しさや実用性を向上させます。
芝生
芝生
芝生は、庭園の広い領域を美しい緑で覆うのに適しています。
芝生は遊び場やピクニックエリアを提供し、庭全体に開放感をもたらします。定期的な手入れが必要ですが、美しい芝生は庭を活気づけます。
タマリュウ
タマリュウ
タマリュウは地被植物の一種で、花や葉が美しい特性を持ち、地面をカバーします。タマリュウは日陰に適しており、花壇や小道の周りで使われます。
コケ
コケ
コケは湿地や日陰の庭園で使用されることがあり、湿度が高い環境で繁茂します。コケは自然な雰囲気を醸し出し、日本庭園などでよく見られます。
人工芝
人工芝
人工芝は、手入れが比較的簡単で、美しい芝生の見た目を提供します。水を必要とせず、芝生の代替として使われます。
ウッドチップ
ウッドチップ
ウッドチップは、庭の路地や散策路に敷かれることがあり、自然な風合いを持たせます。また、雑草の発生を抑制する効果もあります。
クルミ
クルミ
クルミの殻やクルミの木の下に敷かれることがあり、自然な覆いとして機能します。クルミの匂いが庭に特有の香りをもたらし、散策路や座席エリアで使用されます。
⑥「維持する」
庭園の美しさを維持するためには、さまざまな手入れ作業が必要です。
手入れ作業は庭園の美しさや植物の健康を維持するために欠かせないもので、定期的なケアが必要です。
適切な管理を行うことで、庭園は四季折々に美しい景色を提供し、リラックスや楽しみの場として楽しむことができます。
除草
除草
除草は、庭園から雑草を取り除く重要な作業です。雑草が生えることで庭園の美しさが損なわれるだけでなく、他の植物の成長を妨げることもあります。除草作業は、定期的に行われ、手作業または草取り機具を使用して行います。
害虫駆除
害虫駆除
庭園では、害虫や病気が植物に影響を及ぼすことがあります。害虫駆除は、害虫を管理し、植物の健康を保つために行われます。化学的な農薬、有機的な駆除方法、生態系に基づいた方法などが使われます。
肥料
肥料
植物は栄養を必要とし、肥料を与えることで健康的な成長を促します。庭園に適切な肥料を施すことで、植物の栄養不足を解消し、花や実を豊かに咲かせることができます。
剪定
剪定
剪定は、植物の成長を整え、形を整えるための作業です。枝や葉を切り詰めることで、植物の健康と美しさを保つことができます。剪定は季節や植物の種類に応じて行われます。
土壌改良
土壌改良
健康な植物は良質な土壌に依存します。土壌改良作業は、土壌の質を向上させ、水はけや通気性を良くし、植物に適した環境を提供します。有機物の添加やpH調整が含まれます。
灌水
灌水
植物に水を供給するために、庭園には灌水システムが設置されます。適切な水量とスケジュールで灌水することで、植物は乾燥から守られ、健康的に育ちます。
掃除
掃除
庭園内の掃除作業は、枯れた葉や枝、落ち葉などの不要な物を取り除くことを指します。庭園の美観を維持し、害虫や病気の発生を防ぐのに役立ちます。